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GATS金融サービス交渉が貧困と金融の不安定化を加速 

planet_dollar.jpg来週から約10日間、ジュネーブでWTO/GATS交渉が集中して行われます。

多国籍企業の行動を監視しているオランダのNGO、SOMOは、世界のATTACに対して、現在GATS交渉で行われている金融サービスの自由化を止めさせるために、行動を起こして欲しいという呼びかけを行いました。

GATSのもとで、金融サービスが自由化されると、金融の不安定のみならず、途上国の資金はほとんどが北に流れるので、貧困がますます深刻化します。
'97年のアジア通貨危機を凌ぐ事態が予想されます。当時、日本への影響はIMFの監視下に置かれた韓国と比べると、それほど極端なものではなかったと言えますが、現在交渉中の「自由化」が実施されたら、「郵政民営化」によって市場に莫大な資金が出回るでしょうから大変な事態が生じるでしょう。

私たちATTACはマネーゲームによる投機を抑制し、金融市場を安定させるために、トービン税、いわゆる国際通貨取引税(CTT)の導入を求めてきました。今こそ、私たちは、なぜCTT導入を主張するのかについて、論点を整理しなければならないと思います。CTTを貧困削減のための単なる「財源」にしてはなりません。

以下、オランダのNGO、SOMOからの呼びかけです。
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5月6日

■ GATS金融サービス交渉が貧困と金融の不安定化を加速

現在行われているWTO/GATS交渉の一つに金融サービスの自由化をめぐる交渉があります。海外の銀行や保険会社のみならず、年金ファンド会社やその他の様々な企業が、より便利な金融サービス市場アクセスの確保を狙っています。また彼らは、現地の銀行や金融会社を買収し、独自に金融ビジネス(すなわち投資)を設立するために数多くの特権の取得も狙っています。先進国政府、ならびにそれらの国の巨大金融コングロマリットのロビー団はより収益性の高い市場へのアクセスを取得するために交渉に並々ならぬ圧力をかけています。例えば、EUはほとんどの途上国に対して広範囲に及ぶ市場開放と規制緩和をリクエストしています。

2006年3月以降、GATS交渉は新たな段階に突入しました。4、5、6月の「多数国間」交渉で、先進国グループは、途上国の中でも比較的発展した大国のグループと市場開放に関する協議を続けています。2006年7月末までに、加盟国は「オファー(新規オファー)」できる市場開放の内容について、さらに10月末までにはGATSのもとで自由化する新規サービス分野の一覧表を最終確定することになっています。

この厳格な交渉スケジュールは2005年末、香港で決定されたものです。2006年7~10月の間、途上国は、金融サービスを自由化するための「複数国間」交渉と従前からの二国間交渉の圧力にさらされることになります。しかしながら、そこには、途上国および途上国の持続可能な発展にとって重大な問題が存在しており、それを市民社会は指摘しています。しかし、交渉担当者は無視しています。

迅速な自由化を優先

金融サービスの二国間および複数国間GATS交渉の焦点は、外国の金融会社のための迅速かつ広範囲な市場開放です。実際、このことは、受けるであろう影響の評価をすることなく、外国の金融業が他国の民間の金融サービス会社を100%乗っ取ることができることを意味しています。これによって途上国は自らの金融業を発展させたり改善したりすることができなくなります。先進国の交渉担当者は、外国の金融ビジネスにも、国内ビジネスと同等な待遇を与えることを要求していますが、彼らは、外国のビジネスが相手国の国内銀行や保険会社と違う行動をとるであろうことについて、説明していません。

貧富の格差を拡大するGATS

「効率性」の向上と金融商品の豊富化をめぐる先進国の自由化推進議論には、例えば以下のように、途上国の金融サービス自由化の経験に関する認識が欠けています。

・海外金融会社は、サービスの提供を多国籍企業や最も金持ちの顧客、ならびに最も発展した地域に集中させたり、受入国の最も豊かな層の人たちを魅了させる(「良いとこ取り」)ので、貧富の格差を拡大する。
・貧困国の金持ちの顧客から作り出された利益が先進国に送還され(GATS第11条は利益の本国送還の制限を禁止している)、貧困国の顧客は先進国に金を流す機会が増えるので、多額の金が南から北に吸い上げられる。
・受入国は、海外銀行の複合サービスによってもたらされる変更とリスク拡大に対処するために、規制および監視措置を講じるための追加的な財源を費やさなければならない。
・GATS二国間交渉では、EUに見られるように、貧困削減対策に疑問が投げかけられている。
・外国の銀行や保険会社を乗っ取り、高株価を維持するために、金融会社はコストを抑え、自国および受入国の職員を解雇する。金融コングロマリットが何十億もの純益を上げていたとしても、職員を減らし、安い賃金かつ不十分な福利厚生で働く労働者へのアウトソーシングが増える。

金融危機のリスクを拡大するGATS

金融サービスの迅速な自由化は、受け入れる途上国の金融の安定性と国際金融システムに危険をもたらします。自由化を希望する国々は、まずしっかりした規則を作る必要があります。先進国の交渉担当者は、過去の金融危機の経験を無視しています。途上国の金融当局がキャパシティー・ビルディング(能力構築)をした上で自由化をしっかり下支えしてから、自由化は徐々に、かつ順序立てて行われなければなりません。したがって、海外の金融サービス会社に市場開放をすることは、ほとんどの途上国において金融サービスの問題を解決することになりません。

GATSのルールは金融不安定の恐怖を増大させ、政府および中央銀行が独立した政策を取ることを制限し、かつ異論を差し挟みます。WTOには金融サービスのリスクを取り扱う規定がごくわずか存在しますが、それは自由化の約束があった上でのものです。GATSは金融上の慎重な措置を容認していますが、それらが曖昧なことから、途上国の規制のほとんどはWTO提訴の違反申立ての対象になったり、または秘密のGATS交渉の過程で厳しい交渉担当者から批判を受けたりします。これによって途上国は貧困根絶、持続可能性および金融安定のために必要な国内規制を実施できなくなるでしょう。さらに海外の銀行(とりわけそれらの支社)は、途上国の監督省庁からではなく、彼らの国の省庁から監督されます。

西側金融業界の利益と合致するGATS

北の大手金融コングロマリットのロビー団はこれまでGATS交渉に非常に積極的であり、成功を収めてきました。したがって、GATSルールおよび現行のGATS交渉は拡大と利益追求という彼らの戦略に合致しており、ますます業界は集中されます。ECの公開文書でさえ、欧州の金融業界はもはや欧州では十分な利益を獲得できないので、拡大を希望していると説明しています。GATS協定には、業界の無制限集中を引き起こす市場の乱用に対処するための条項として第9条がありますが、その実効性はきわめてものです。

GATS交渉は市民社会の緊急ニーズを統合しない

GATSルールおよび交渉は、とりわけ途上国の市民社会の数多くの問題を扱いません。例えば、以下のような問題を扱おうとはしません。
・金融サービスへのユニバーサル・アクセスの欠如
・貧乏な人たち、中小農民および中小企業に対する金融サービスなどの欠如
・金融業界および取引の透明性の欠如
・現行イニシアティブでは、金融メカニズムが必ず持続可能な発展を促進し、金融会社は責任を持って行動することを保証するとしているが、それは的外れである。

現行の交渉は大企業のグローバリゼーションのための金融メカニズムを強化します。そしてそれらは、必要なすべての国内および国際金融セーフガードがまだしっかりと整備されていない現状の中で行われています。したがって、貧困と持続不可能な発展を拡大する金融会社は、GATSのもとで市場参入の権利を与えられるべきではありません。

何をすべきか

問題への意識向上運動によって、リクエスト国において、ならびに特に自由化の圧力にさらされている国々で、国民的議論および政治的議論を増やす必要があります。現行の複数国間交渉で、自由化の標的になっているのは、中国、インド、ブラジル、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、南ア、エジプト、モロッコ、パキスタン、トルコ、ウルグアイ、チュニジア、ナイジェリア、アルゼンチン、コスタリカ、イスラエル、アラブ首長国連邦、シンガポール、クウェートです。しかしながら、その他にも多くの途上国が市場開放のリクエストを受けています。最も重要なリクエスト国はオーストラリア、カナダ、EU、香港、中国、日本、米国、およびスイスです。

大臣、高官、議員、およびその他の政治家たちは、彼らがなぜ金融サービス自由化のリスクを考慮せずに交渉を続けているのかについて、市民社会から疑問が投げられています。ATTACのメンバーは一貫して金融不安定のリスクを指摘してきました。大規模金融コングロマリットが海外で合併と買収を繰り返して莫大な収益を上げているとき、労働組合は、深刻化する雇用の喪失と不安定化の課題に集中的に取り組むことができます。

連絡先と情報:

Myriam Vander Stichele(SOMO)
Email: myriam@somo.nl or mvanderstichele@somo.nl
Tel.: + 31 20 639 12 91

Bern Declaration (see: http://www.evb.ch/p25010276.html)
WEED in Germany (see: http://www.weed-online.org/themen)

SOMO website (www.somo.nl)

M. Vander Stichele, Critical issues in the financial financial industry, SOMO, April 2005: chapter 6 which analyses liberalisation of financial services under GATS. See: http://www.somo.nl/html/paginas/pdf/Financial_sector_report_05_NL.pdf

M. Vander Stichele, GATS negotiations in financial services: The EU requests and their implications for developing countries - Bilateral negotiations analysis, December 2005. See: http://www.somo.nl/html/paginas/pdf/Weed_speech_FSI_GATS_2005_NL.pdf

Briefing paper to ATTAC members. See : http://www.somo.nl/html/paginas/pdf/Briefing_FS_attac_2004_EN.pdf
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