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2006/4/21公共サービスは売り物ではない--STOP GATS! フランス社会運動の取り組み 

ESF03notforsalesignsml.jpg4月21日、ATTACジャパン公共サービス研究会は「公共サービスは売り物ではない」と題する例会を開いた。現在、フランスで展開されているGATSフリーゾーンのキャンペーンについて、フランスの3つの独立労組(SUD-PTT:郵政、SUD-Rail:鉄道、SUD-Recherche:研究者)の組合員から話を聞いた。GATSフリーゾーンとは何か、またフランスでは公共サービスを守るためにどんな活動が行われているか、さらに政府にCPE(初回雇用契約法:26歳未満の若年層を雇用した場合、試用期間中の2年間、使用者は理由を通知せずに解雇できる制度)を断念させた人々の闘いについて語ってもらった。
■ エルワン・ケランさん(SUD-PTT)

[GATSフリーゾーン]
 フランスでは、先頃、EU憲法とボルケシュタイン指令(両者ともヨーロッパ全域に市場原理主義を徹底させるもの)を撤回させたが、今、積極的に進められているのは、GATSフリーゾーンという公共サービスを守る住民運動である。これは、自治体が、GATS拒否!を宣言する運動である。現在、96ある県のうち29の県が、GATSの適用を受けないとしてGATSフリーゾーン宣言をし、ほかに約800の市町村がGATSに反対している。そして、さらに、この運動は海外でも展開されており、イタリアのトリノ、ジェノバ、イギリスのマンチェスター、ニュージーランドのクライストチャーチ、メルボルン、カナダのバンクーバー、オーストリアのウィーンなどの自治体でもGATS拒否宣言をしている。
 GATSは、水、教育、医療など、社会のあらゆる分野を商品化する。GATSが適用されると、あらゆるものがマクドナルドになることを意味している。サービスの質が低下し、あらゆるサービスが安く叩き売られる。
 例えば、郵政が民営化されるとしたら、採算のとれない小さな郵便局は確実に廃止される。郵便局がなくなると、住民の数も減り、駅も学校も閉鎖され、公共交通がなくなる。すなわち、人々が拠り所とする社会的基盤がなくなり、住民はますます社会から排除され、脆弱化する。

[フランスの暴動]
 昨年11月、フランスの「暴動」は最初に移民労働者たちの多いサン-ドニというパリ郊外の県で起きた。サン-ドニはフランスでは飛びぬけて若年失業率が高く、低所得者層が多い自治体である。学校を出ても、肌の色やサン-ドニに住んでいるというだけで、就職差別を受ける。たとえ仕事があっても、パートや派遣などの不安定な有期雇用にしか就けない。公共交通はサービスを打ち切り、公共図書館や文化施設、そして一部の学校も閉鎖された。住民はほとんどの福祉サービスから排除されていた。

[CPE反対闘争]
 ドビルバン首相は「政府は若者のために充分なことをしてこなかった。住居、雇用、雇用の分野で彼らの要求に応えることが我々の目標である」としてCPEを提案した。しかし、これまで政府がとってきた方針は、社会保障政策に市場原理主義を導入し、弱者を切り捨てるものであり、CPEももちろん、その延長上にあった。したがって、これまで「改革」と称して政府が出してきた数々の政策が大規模な反対闘争によって覆させられてきたように、CPEも、学生のみならず地域住民や労働組合も加わった全国レベルの抗議デモによって撤回せざるを得なくなった。

[象徴的な意味としてのキャンペーン]
 CPE反対闘争が勝利した背景には、政府による一方的な切り捨てを拒否し、それを行動で示すという姿勢が住民の間に浸透していることである。
 GATSフリーゾーン・キャンペーンは、そのような住民の行動と連携するものである。
 しかしながら、自治体がGATSフリーゾーンを宣言したからといって、現実的には、政府がGATSによる民営化を受け入れてしまうと、WTO協定によって、自治体はそれを拒否できなくなる。だからこそ、このキャンペーンには意味がある。キャンペーンを展開することで、その事態が到来する前に、GATSについて、公共サービスについて住民を教育することができる。そこで、実際に民営化の攻撃がかけられたとしたら、住民は自信を持ってそれに抵抗し、政府に撤回を迫ることができるようになる。
 CPE反対闘争の勝利は、我々はGATSをひっくり返すことができることを示している。

■ ミシェル・デマルさん(SUD-Rail、トゥールーズ市議会議員)

 フランス第4の都市、トゥールーズは右翼の反対によって今のところGATSフリーゾーンを宣言できていない。しかし鉄道の面では、公共サービスを守るいくつかの試みが実践されている。一つは、失業者の鉄道利用を無料にしていることだ。しかしながら、GATSが適用されたら、このサービスは競争の観点から「不平等」とされ、廃止されるであろう。また都市圏の公共交通を守るために、自治体が事業体に委託をし、民営化を食い止め、一定の公共性を守る努力もしている。
 フランス国鉄は正式にはまだ民営化されていないが、徐々に部門を切り離して民営化が進行している。線路などのインフラ部門は分離して民営化されたし、儲からない部分は自治体に譲渡され、収益のある部分は民営化されている。
 フランスには、民営化に反対する地方自治体議員たちで構成されるオルタナティブ議員ネットワークがある。議員たちが連携することで、自治体レベルで民営化への道を封じ込める運動を展開している。

■ ボリス・シュノーさん(SUD-Recherche、大学助手)

 GATSまたは民営化に反対する運動の背景には、新自由主義、資本主義に反対する運動がある。儲け主義、利益至上主義、すべてが商品化されていくことに反対する様々な人々の強い意志がある。
 民営化とは、労働に競争原理が導入され、貧しい労働者を作り出す。当初は一国レベルであっても、EUレベル、そして世界レベルへと発展していく。そして民営化は投資先を求めるので「帝国化」する。投資先を求めて、イラクに派兵し、イランと紛争を起こす。第三世界の労働者、豊かさを搾取する。日本も軍事協定によって「帝国化」と搾取に貢献することになる。
 世代間、職業間の連帯など、様々な横断的な連帯を通じて、議論を政治化しながら公共サービスや社会的権利を守る運動をローカルに展開し、そしてそれを実現させ、運動をグローバル化していく必要がある。

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