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気候変動問題に取り組むエンターテイナー(その1) 

Matthew 先にインタビューを紹介したカーボン・トレード・ウォッチによる「炭素中立的という神話」には、気候変動やグローバリゼーションの問題に建設的な取り組みをおこなっている、エンターテイメント業界の二人が紹介されています。一人目はミュージシャンのマシュー・ハーバート、もう一人はコメディアンのロバート・ニューマンです。

 今回はマシュー・ハーバートのインタビューの翻訳を掲載します。インタビューに出てくるかれのアルバム、Plat du Jour の製作の動機については、ここをクリックすると読むことができます。

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エンターテイメント業界の中での建設的な取り組み
 カーボン・トレード・ウォッチは、エンターテイメント業界の二人の人物に、オフセット枠組みをどう見るかについて、さらにはかれらがどう自分の排出した炭素に責任を負っているのかについて話をした。これらの二人のアーティストは、私生活でも、職業生活でも、炭素減少のための真の適応をおこなっているだけでなく、かれらの作品の中で気候変動をめぐる環境、政治問題を扱っている。これらの問題に対するかれらの取り組みは、「これをせよ」とか、「あれをするな」とか、複雑な問題を一本のスローガンに還元するといった荒っぽいメッセージではなく、創造力にあふれ、示唆に富んでいる。二人のアーティストは、気候変動が、環境というよりも、社会正義への懸念事項であるという事実を明らかにしている。

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マッシュー・ハーバート(Matthew Herbert)―倫理の複雑さ
 マッシュー・ハーバートは、ミュージシャンであり、プロデューサーであり、DJである。かれは、ビョーク(Bjork)、REM、ジョン・ケイル(John Cale)、オノ・ヨーコ、セルジュ・ゲンスブール(Serge Gainsbourg)といった様々なアーティストの作曲と編曲をしてきた。ここ数年の間で、かれの作品の政治的な性格があらわになってきている。かれの2004年のアルバム、Plat du Jourは、料理の隠喩と実例を使って、巨大食品企業だけでなく、食品の長距離輸送によって引き起こされる排出、身体ファシズム、死刑、イラク戦争を批判している。かれの2006年のアルバムScaleにサンプリングした音には、棺、石油ポンプ、竜巻、悪名高いロンドンDSEI(国際防衛装備品展示会)の参加者たちによる宴の外側でうんざりしている人の音が含まれていた。

 私たちは、かれに、オフセット枠組みについての意見と気候変動への個人的な対応策を尋ねた。

 「倫理の境界がとても流動的になっているので、どんな思慮分別のある道徳的権威とでも、倫理的なライフスタイルについての話をするのは、難しくなっています。誰がより道徳的なライフスタイルを教えてくれるのでしょうか。ある家庭との契約の時間を超えてまで老人のために働いているが、テスコ〔イギリスに本社を置く小売チェーン〕ですべてを購入している看護婦か、地元に店を構えながら、倫理的なライフスタイルについての本を飛行機で世界中に送っている完全菜食主義者本の出版社か。明確に定まった現実的な答えはないし、道徳的な確かさもほとんどありません。けれどもそれは、何らかの行動を取るべきではないということではありません。私が作成した現代の食品産業の危険さについてのアルバム(Plat du Jour)に従うならば、自分の生活をより持続可能にするために、生活の中で緊急になすべきことがあるように思われます。最もはっきりしているのは、飛行機に乗るのをやめることです。こうして私は、自分でもっとたくさんの食べ物を育て、自分でもっとたくさんの電気を起こし、もっと自転車に乗り、自分も地球ももっと健康でいられる田舎に移ることになりました。ただ、ロンドンで、私はどこでも歩いたり、公共交通機関を使ったりしていましたが、田舎では、さらに車に依存するようになったのは、悲しいことなのですが。

 「私の創作に埋め込まれているメッセージが、山ほどのプラスティックを使って再生産され、飛行機で世界中に運ばれていることは、私を長く悩ませてきました。私たちがしばらくの間とってきた小さな意思表示は、プラスティックを使わない包装です。ただそれによって、生産者としての私たちには、価格が高くなりすぎてしまいました。私はデジタル音楽に興味を持っています。それが音楽の配信に際して、(電気とコンピューターを除けば)非汚染のシステムを可能にするかもしれないからです。こうした理由から、私は自分のレコード会社である「Accidental」にデジタルのみの営業活動をさせることを考えています。

 「しかし飛行機の問題は、複雑で扱いにくいものです。それは私が得られるだろう収入を即座に大きく減らします。それによって、私は自分が音楽を提供した映画の封切りのようなことにも出席できなくなります。確かに大して重要なイベントではないかもしれませんが、それは楽しいことなのです。そう、喜びの政治が関係しているのです。それは、私が、たとえばイラクへの訪問のような、新しい文化に身をさらす可能性を制限します。それは、もちろん、違った形の旅を考えることを意味します。スロー・フード運動が食べ物を違った形で考えるよう求めるのと同じで、スロー・トラベルは、目的地に着くまでにずっと長い時間を要します。しかしながら、結果的に、私が四つのDJショーのために二ヶ月間オーストラリアを旅行することは、経済の活性化にはつながりません。そこに問題の核心があります。私がしている仕事は、安い石油、汚染を生み出す流通システム、ローカルな資源の搾取の直接的な結果、発展しています。だが、それをすべて止めることは、異なる倫理を提供してくれるのです。私は今、公的な発言をする力を持っています。私はCNN、BBC、チャンネル4、 Arte、その他、数多くの国際的なテレビ局とラジオ局に出演して、これらの問題について話したことがあります。私はイタリアに音楽の仕事をするのに飛行機で行くのをやめるか?結局、私がおこなうショーを見に、聴衆の半分がロンドンに飛行機で来ることになるだけじゃないのか?ダライ・ラマは、今なお飛行機を使っています。そこで、現在のところ、私は自分の実践を縮小させています。私は自分に一年間に一回アメリカへ(そこには家族がいます)、一回日本へ(そこには仕事があります)、一回その他の国への空の旅を許しています。私は自分が割当を大きく超えてしまっているとは思います。けれども、それは少なくとも始まりにはなるでしょう。一年間で150回の空の旅をした去年よりはましでしょう。

「英国航空とその(気候変動)スキームに関して言えば、私はよくある企業の陳腐な言葉に過ぎないと思います。過度に単純化され、中立的な意思表示です。それは地上にさらなる被害を引き起こす可能性があります。木は腐食する時に二酸化炭素を解き放つからです。しかし、それは始まりです。航空燃料に税金をかけることは、さらによい意思表示になるでしょう。これらの航空会社は、自らが引き起こしている損害を元に戻すコストを負担していないのです。しかしながら、私はそれが刺激的な始まりであると思います。その背後にある原則が誤っていて、力がないにもかかわらず、です。なぜなら、航空産業の歴史で初めて、それらは航空旅行という考えと公害との結びつきを公にしたからです。それは重要なきっかけです。

「もちろん、世界中の環境運動と様々なローカルな運動の最大限の努力にもかかわらず、石油の終わりが、安い空の旅、安いプラスティック、安いドライブ、低利の金融、安上がりな休暇、安価な消費財の終わりをもたらすのは、皮肉なことです。そして、それは、私たちが西洋で「文明」と呼んでいるものがもたらす主な帰結に合わせて、驚くべきペースで起きるでしょう。もし私が読んでいるものが正しければ、それはすでに始まっているように思われます。オイル・ピーク(石油生産のピーク)は、すでにやってきています。そうならば、こうした懸念材料のすべては、遠い昔の思い出になるでしょう。けれども、それは私たちが正しい行動に挑戦するのをやめることにはなりません。
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