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バイオ燃料の神話を暴く(前編) 

バイオ燃料 化石燃料の枯渇が叫ばれて久しいにもかかわらず、先進工業国はさらなる経済成長のために燃料に依然し続けています。化石燃料への依存は、深刻な気候変動の問題を引き起こしています。グローバルな気候変動は、ドイツでのG8の主要議題の一つでした。燃料資源不足と気候変動という二つの問題を一挙解決する策として、現在、新たに推進されているのは、「バイオ燃料」の利用です。トウモロコシや大豆からできる燃料ならば、環境にやさしいし、再生産可能だし、よいことづくめのように思えますが、さてその実態はどうなのでしょう。
 
 『月刊オルタ』の2月号の特集では、その実態を垣間見ることができます。以下には07年2月にThe Statesmanに掲載された報告を翻訳しました。途中で力尽きてしまったので、今回は半分まで掲載します。
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バイオ燃料の神話(前編)
エディバン・ピント(Edivan Pinto)、マールス・メロー(Marluce Melo)、マリア・ルイサ・メンドンサ(Maria Luisa Mendonça)

 化石燃料の影響に関する最近の研究は、バイオ燃料に光をあてている。エネルギーの構成を見てみると、石油(35%)、石炭(23%)、天然ガス(21%)からなっている。10の最富裕国だけで、世界中で生産されているエネルギーの80%を消費している。とりわけ、合衆国は大気汚染の25%の原因となっている。専門家は、25年以内で、世界の石油、天然ガス、石炭の需要は、80%増加する可能性があると見積もっている。
 
 グローバルな温暖化の加速が地球の生命を危険にさらしているというのは、事実である。しかしながら、現在提出されている主な解決策とバイオ燃料に想定されている利益に関して広まっている宣伝の神秘性を取り除く必要がある。「再生可能な」エネルギーという考えは、これらの資源の負の効果を考慮に入れた見解から退けられているに違いない。

 「グリーン・エネルギー」、「クリーン・エネルギー」という宣伝は、ブラジルで十分なまでに広められてきた。『グローバルな農村(global rural)』という雑誌の記事(2006年11月号)は、「エタノールとバイオディーゼルは、石油の代替物として使われ、グローバルな温暖化を抑える手段となっている」と主張している。
 
 他方で、この考えに矛盾するいくつかの研究がある。遺伝学と生物化学の専門家である香港大学のマエ・ワン・ホー(Mae-Wan-Ho)教授は、「バイオ燃料は、『炭素中立的』、すなわち、まるで温室効果に影響を及ぼさないかのように、誤って考えられてきた。たとえば、バイオ燃料を燃やしても、植物が地上で成長するときに吸収する炭酸ガスは、空気に戻される、といったようにである。このように、二酸化炭素排出のコストは、収穫に使われる肥料と農薬、農業機械の使用、加工、精製、輸送、流通のインフラからのエネルギー排出と同じように、無視されている」、と説明している。複数の研究者によれば、バイオ燃料がある国で生産され、別の国へ輸出されるとき、余分に生じるエネルギーのコストと炭素の排出は、より大きいと考えられる。
 
 ベルギーの科学問題資料室(the Belgian Cabinet for Scientific Affairs)の研究は、同じ結論を示している。「バイオディーゼルは、健康と環境問題をさらに引き起こす。なぜなら、それはより細分化された公害を生み出し、オゾン層の破壊を進めるより多くの公害を逃がすからである」。

 エタノールの生産に関して、マエ・ワン・ホーは、「強力にサトウキビの単作を推し進め、森林と牧草地をサトウキビ畑に代えることで、有機質の土壌から多くの炭素を外に逃がすという点が考慮に入れられていない。もし森林と牧草地が再生されれば、バイオエタノールを生産するよりも多く、ヘクタールにつき年間7トン以上の二酸化炭素の排出を抑えるであろう」、と説明している。加えて、エタノール1リットルの生産は、約4リットルの水を消費している。これでは天然水と地下水の欠乏の危険にさらされるであろう。

 大豆の場合、最も楽観的な予測によれば、化石エネルギー1単位を栽培に費やしたとして、生産される再生可能なエネルギーは、2単位以下である。これは肥料と農業機械に使われる石油の消費が高いためである。さらに、大豆畑の拡大は、ブラジルの森林とセラード(cerrado)地域を大量に破壊している。

 それでも、世界最大の生産国の一つであるという事実のゆえに、大豆はブラジル政府によってバイオディーゼルのための主要な栽培物とされている。「大豆の栽培は、ブラジルの農業ビジネスが持つ王冠の中の宝石として浮上している。大豆はバイオ燃料市場の開発を進める梃子になると考えられるであろう」。EMBRAPA(ブラジル農業調査会社)の研究者たちは、こう語っている。

ブラジルの役割

 ヨーロッパ連合(EU)は、効率的に耕作可能な増産のための土地を持たないにもかかわらず、2010年までにその加盟国が5.75%のバイオディーゼルを燃料に加え、2015年までにこの数字が8%に達しなくてはならないとした。しかしながら、何人かの専門家は、実行に際して現実的に生じる困難に加えて、このプロジェクトがその目的を達するのは、きわめて難しいであろうと見ている。マエ・ワン・ホー教授によれば、「たとえEUの560万ヘクタールの土地が耕作され、エネルギー用の植物になったとしても、私たちは道路輸送機関の排出する炭素の1.3%から1.5%、15カ国による全炭素排出の0.3%しか抑えることができないであろう」。

 合衆国政府は、産業界が通常のディーゼルの中にバイオディーゼルのパーセンテージを上げるべく、税制上の優遇措置を提供している。しかしながら、合衆国の現在における化石燃料の需要の代替となるには、耕作可能なあらゆる土地の121%を使用する必要がある。

 こうした文脈の中で、ブラジルの役割は、富裕国に安価なエネルギーを提供することにある。これは植民地化の新たな段階を代表するものになろう。バイオ燃料部門の現在の政策の基礎にあるのは、ブラジルの植民地化の特徴とされる要素と同じく、領域、天然資源、労働の横領である。それによって、土地、水、富、権力は、一箇所に集中される。

 ブラジルの9000万ヘクタール以上の土地が、バイオ燃料を作るのに使用されたと見られている。さらに、生産の「効率」は、低廉な労働力、時には奴隷労働の使用によって可能になっている。こうした生産の特徴は、農業ビジネスが巨大な利益をもたらすという考えを作り出している、政府機関や知識人によって広められている。

 「私たちの国は、いまだ生産過程に組み込めていない世界で最大の土地を所有しています」。EMBRAPAの研究者たちは、こう言っている。かれらはバイオマスの生産が「ブラジルの農業ビジネスで最も重要な要素になりうる」と述べている。エタノール生産の拡大に関して言えば、かれらは「ブラジルの領土のほとんどすべてでサトウキビ畑の拡張の可能性がある」と結論づけている。

 現在、ブラジルのサトウキビ圧搾機は、年間に8億リットルのバイオディーゼルを生産する能力がある(うち2%は通常のディーゼルと一緒に使用されている)。この部門の企業が打ち立てた目標では、化石燃料に対して5%のバイオ燃料をつけ加えると予測される2008年までには、10億リットルにまで達することになっている。
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