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農水省は日豪FTAを拒否できるのか? 

日豪FTA抗議集会 3月8日、全国農民組織連絡会議、日本消費者連盟、ふーどアクション21、食農ネット、平和フォーラム主催で、日豪FTAに関する院内集会が開かれました。日豪FTAは昨年に共同研究会報告が提出され、12月の首脳会談で、今年中の交渉開始が決まっています(4月23~24日、豪州キャンベラで第一回の交渉決定)。11日からハワード首相が訪日し、日豪の新たな軍事提携に加えて、日豪FTAについて議論すると予測されます東京のメディアは、この問題をほとんど報じませんが、もっとも被害の集中が予測される北海道では、日豪FTAが北海道経済の崩壊を意味すると、メディアが熱心に報道しています(北海道新聞)。
 世界に名だたる農業大国であるオーストラリアとのFTAは、日本の農業を壊滅に導き、農民の生活基盤をぶち壊し、地方経済を崩壊に追い込み、ただでさえ低下している食料自給率をさらに引き下げ、食の安全を危機にさらすことが予想されます。集会では、農民団体や消費者団体などから、このような懸念が表明されました。その後、「日本農業を潰す日豪EPAとWTO農業交渉に関する決議」が採択されました。

 集会後、数人の代表者は、要請文を持って内閣官房、農水省、外務省、日豪経済委員会へと向かいました。以下は、農水省との交渉の報告である。交渉に加わった岩手県の農民の話が印象的でした。「いま農家は暗い雰囲気です。年寄りは『少し長生きしすぎた』と嘆いています。借金、老齢化、シャッター通り…。こんななかで自分の子供たちに農業をやれとは、とてもいえません。農業をついでしまったら、かれらの子供を学校にやれなくなってしまうからです。政治への不信感でいっぱいです。農水省は集落営農を提案してきますが、ダメなものがいくら集まってもダメなんだと、農家はあきらめムードです」。

 「日本農業にとって、日豪FTAのメリットはない」と断言した農水省は、本当に日豪FTAを拒否できるのでしょうか。ダンコたる姿勢を期待したいと思います。

*********

2007年3月8日 農林水産省交渉(農水省側は、日豪FTA担当/WTO担当 計二名)。
【日豪FTAの交渉経過】
・06年12月に首脳会談。07年中の交渉入りを決定。現在は準備作業中(交渉団の構成やスケジュールなど)。日程調整が難航している。両国とも複数国とFTA交渉をしているので、調整が難しい。おそらく統一地方選以降であろう。まもなく公表される予定(第一回は4月23~24日、豪州キャンベラに決定)。
・これまでに共同研究会を5回にわたっておこなってきた。農業の重要品目をめぐる議論ついては、とくに激しいやり取りがおこなわれた。たとえば第5回は、ほとんど農業について話した。
・研究会開始に際しても、重要品目の関税撤廃は困難であると伝えた。しかし豪州側は、日本農業への影響を低く見積もった数字を出してきた。日本側は農業への影響を全体として評価するではなく、個別の重要品目への影響を丁寧に見ていくよう主張した。
・研究会でのやり取りは、今後の蓄積として大きいと思う。相手側の出方を知ることができたからである。
・豪州側は当初、「すべての品目/柔軟性をテーブルにのせる」と主張してきた。豪州のEPAでは常識なのだそうである。しかしこれは豪州のスタイルであって、日本側は「除外」「再協議」という言葉を入れさせるよう求めてきた。
・こうして研究会報告では、「農業」と「結論」の部分をあわせると、「センシティブ」という言葉が16回、「柔軟性」という言葉が5回入っている。これは豪州側からすれば、当初の予定とは異なる、屈辱的なものだったのではないかと思う。
・これでは豪州にとってEPAのうまみがないかもしれない。しかしそれでも交渉はしましょう、交渉妥結するには十分な「柔軟性」が必要ですよ、という姿勢で臨んでいる。
・EPAには国会決議が必要。一国の意思に合わないものは拒否することができる。守るべきものはきっちりと守っていきたい。

【日豪FTAと日本農業】
・そもそも日豪FTAは、豪州側から持ちかけたものである。豪州政府のシンクタンクは、将来の農業生産量を予測している。それによれば、豪州には水や土地の制限のために、米の増産はできない、また他国市場にも供給しなくてはならないので、日本のコメ市場への影響は大きくないという楽観的な見解を示している。
・農水省側は、この予測を信じていない。市場のニーズは、作物生産量を上昇させる誘引になるし、技術力が上がれば、今年は干ばつかもしれないが、来年以降の増産は可能であろう。
・酪農に関しても、豪州側は、日本が和牛市場、豪州がより安価な牛肉市場を主たる顧客にするので、競合しないと見ている。実際はそんなわけなくて、競合する部分はかなり多い。
・農水省は最近、経済財政諮問会議で関税が削減されたときの日本農業や自給率への悪影響を説明した。安部首相は最近、日本の農業の重要性を訴えるようになっている。「美しい農村を失ったら、日本ではなくなる」と発言した。
・しかし「国益を重視しろ」と主張する人びともいる。かれらは資源・エネルギー確保の重要性を主張し、日豪FTAに熱心である。
・最近のエネルギー価格高騰で、産業界にも危機感がある。エネルギー大国豪州とよい関係を築きたいと考えている。これに対抗するのは、世論のバックが必要。
・農業に関して言えば、日豪FTAのメリットはない。しかしあの輸出大国とFTAを結べば、どんなメリットも吹っ飛んでしまうだろう。

【WTO交渉の現在】
・07年1月から二国間会合が活発になった。アメリカ-ブラジル、アメリカ-EUなどの首脳、閣僚会合が開かれた。日本も松岡農相が訪米した。
・1月27日、ダボス会議の最中、凍結した交渉を再開することで合意を得た。宣言は出さないものの、事実上の再開といえる。
・まずは事務レベルの会合からスタートしている。二国間/多国間、二つの方向で交渉がされている。たとえば農業の場合、ジュネーブでパルコナー議長のもと、各国の大使が参加して、交渉が進んでいる。どちらかといえば、技術的な話よりも、大枠に関する話が中心。
・凍結の原因となったアメリカの農業補助金の問題だが、現在、9月をめどに農業法見直しが議論されている。各国はこの見直しでアメリカの補助金が削減されることを期待している。
・米農務省は、いま穀物価格が上昇しているので、多少補助金を削減しても国内農民がやっていけるだろうと考えている。しかし制度的に見直しをするつもりがあるかといえば、きわめてうたがわしい。
・6月末で切れる米大統領のTPA(大統領貿易促進権限)も、もう一つの焦点。法律によれば3ヶ月前、すなわち3月末にまで更新をしなくてはならない。現在のスケジュールでは絶望的。たとえこの期限に間に合わなくても、議会で新しい法律を作ればよいと考えている節もある。
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